A、B、Cクラス分け

 

香港と中国大陸において翡翠はA, B, Cの三つのクラスに分けられます。それではAクラスが一番高品質で値段も高く、Cクラスは品質も低く値段も低いのかというと、必ずしもそうとは限りません。

このクラス分けは薬品などを使ってトリートメントされている物とされていない物を区別するために行われています。つまり薬品でトリートメントなどの加工を施して見栄えを向上することによって値段がつり上げられていることもあり、それは加工されていることを知らない、もしくは分からないバイヤーにとっては大きな問題なのです。当然ですが、天然で薬品加工を施していないAクラスの翡翠は、加工を施して見栄えが同じくらい良くなったBクラスやCクラスの翡翠よりも高い価値があります。

つまり本物の翡翠コレクターにとって、BクラスやCクラスの薬品を使って加工を施した翡翠は価値は無いに等しいわけです。

A クラス―天然で薬品加工されていない翡翠

Aクラスだということは、天然で薬品加工されていないということだけですからAクラスの翡翠であっても$5の値が付いているものもあれば、$500,000のものもあります。なぜならばその価値は色、透明度、工芸技術によって判断されるからです。

Aクラスの翡翠は薬品加工はされていませんが、それでも原石をアクセサリーとして使うために必要な加工がされています。たとえば原石は表面の汚れを取り除くために梅酢に浸けて洗浄され、カットされて磨かれた後は輝きを高めるためにワックスがかけられています。ずばぬけて良い品質の翡翠については充分に天然の輝きがあるため、洗浄と磨きのみでワックスがけされていないものもあります。全ての天然翡翠はBクラスやCクラスの物にはない独特な輝きを放ちます。

Bクラスー化学薬品で加工され樹脂加工された翡翠

Bクラスの翡翠は、酸の中で煮ることによって傷や色を取り除いた後、透明感をくわえるために樹脂加工されます。酸で煮られることによって本来の構造が崩れ、半分は樹脂で固められているものなので、厳密にはジェダイトと呼ぶこともできないものです。

Cクラスー染められた翡翠

Cクラスの翡翠は簡単に言うと緑や紫や赤に染められ、薬品加工された価値のない石です。CクラスとはBクラスの加工を施した後、人工染料を使って色づけした物です。

賢い翡翠バイヤーになるために

翡翠のエキスパートであっても、試験所でのテスト無しに肉眼で翡翠が薬品・染料加工されているかを判断することは難しいのですが、購入する際は以下の点に注意しましょう。

  • 表面の細かいキズ
    Bクラスの翡翠の場合表面にクモの巣のような細かいキズが見えることがあります。これは樹脂によって崩れた石の構造を埋めきれなかったときに起こる現象です。
  • ぼやけた石の構造
    良質で透明度の高いジェダイトはその結晶のつなぎ合わさった構造が簡単に見える物です。樹脂加工されたジェダイトも透明度は高いのですが、光の下で見るとその結晶のつなぎ合わさった構造がぼやけた感じに見えることがあります。
  • 色と輝き
    BクラスやCクラスの翡翠は、色や輝きが天然の物と比べて不自然に見えます。区別できるようになるためにはそれなりの経験が必要になりますが、天然のジェダイトには“ガラスのような”輝きがあり、偽物よりも明るい輝きがあります。
  • 市場を知りましょう
    香港の翡翠マーケットに行って、とても緑で透明な翡翠が$50で売られていたら、それは自動的にBもしくはCクラスの翡翠だと分かることでしょう。ちゃんとした店構えのジュエリーショップでも、高額のジェダイトを買う場合には試験所でテストしてもらうように依頼しましょう。